オペラント行動を利用したマウスの視覚障害の検出法
概要
明暗弁別法を利用した条件回避反応(shuttle box法)を用い,マウスの視覚障害の検出を試みた.実験動物として正常ICRマウス,優性(Cts/Cts),劣性(cac/cac)遺伝性白内障マウス,遺伝的網膜変性マウス(C3H/HeNjcl)および雄の遺伝的網膜変性マウスと雌の正常ICRマウスを交配させて得られた雑種第一代マウス〔(ICR×C3H)F1〕を用いた.まず,正常ICRマウスを音と光を条件刺激として条件回避反応の訓練後,音刺激と光刺激を分化し条件回避反応を測定すると,音刺激に対する回避率の低下は認められないが,光刺激に対するそれは低下した.しかし,光刺激に対する回避率の低下は訓練を続けることにより,ほぼ分化前のレベルにまで回復した.その後,正常ICRマウスに0.1 N NaClによりアルカリバーンを惹起すると,光刺激に対する回避反応は低下し,その回復は認められなかった.Cts,cacマウスは正常ICRと同様なパターンを示し,C3HおよびF1マウスはアルカリパーンを惹起した場合と同様なパターンを示した.条件刺激分化後の光刺激に対する回避率の低下からの回復率を算出したところ,両遺伝性白内障マウスは,正常ICRマウスとは有意な差が認められず,アルカリバーンをしたICRマウスとは,有意な差が認められた.一方,C3H,F1マウスは正常ICRマウスとは有意な差があり,アルカリバーンをしたICRマウスとは有意な差はなかった.このことから,遺伝性白内障マウスの視覚障害は軽度であるが,C3H,F1マウスのそれは重度であると思われた.この方法を用いてマウスの視覚障害を検出することが可能であると思われた.
著者
加藤 晃
名城大 薬
鍋島 俊隆
名城大学薬学部薬品作用学研究室:npo法人j-do医薬品適正使用推進機構
加藤 晃
名城大学薬学部薬品作用学教室
亀山 勉
名城大学薬学部薬品作用学教室
鍋島 俊隆
名城大学薬学部
亀山 勉
名城大学薬学部
亀山 勉
ジャパン精神薬理研究所
鍋島 俊隆
名城大 薬
鍋島 俊隆
名城大学薬学研究科薬品作用学 名城大学学術フロンティア推進事業比較認知科学研究所
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